LTV(Loan To Value ratio)

前回までにFCRとCCRという2つの指標について解説しています。
この2つの指標は、不動産そのものの収益性を見ることができるものでした。
これらを使って、どの物件が収益性が高いのかを判断できるわけです。

そこでこの項では、どのような投資の仕方をすればリスクを低くおさえられるのか、リスクの高い投資とはどのようなものかという点を導きたいと思います。

LTV(Loan To Value ratio)とは、訳すると「ローン資産価値比率」です。

これは、価値に対する借金の比率を求めるもので、

  LTV = ローン総額(負債)÷物件の価値(資産価値)

で計算します。

この数値が高ければ高いほどリスクが高いことになります。
この指標は不動産証券化における商品の格付けとしても使用されています。


実際に物件への投資を例に計算してみます。

投資総額:2億円、自己資金:4.000万円、借入金:1億6,000万円の場合

LTV=1億6,000万円÷2億円=80%
自己資本比率=4,000万円÷2億円=20%

ですね。

LTVは、どれくらい借金の比率があるかを示す比率なので、リスクの指標でもあります。

LTVが高ければ、レバレッジが効いていますが、金利上昇、空室などから、キャッシュフローが悪化する影響の代が大きくなります。

ローンの返済が進んでいくと、元金を返済した分の負債が減り、自己資本が充実することになります。

LTVが減少すると、金利上昇や空室などから受けるリスクも減少することになるわけです。