Cash on Cash Returnの略で、自己投下資本に対してキャッシュフローがどれだけあるかを見る指標です。
物件価格の総額ではなく、実際に費やした自己資金に対する手取り収入の割合が「CCR」です。
以下、具体的な数字を用いてCCRを導きましょう。
物件価格 1億円
購入諸経費 700万円
年間家賃収入 1,200万円
賃貸諸経費・空室損 300万円
まず、実質利回りを求めます。
年間家賃から必要経費を引いた純収入は900万円。
購入価格に諸経費を乗せると1億700万円です。
このときの実質利回りは、
900万円 / 1億700万円 = 0.84112 ≒ 8.4%
ここで、
頭金1割(1,000万円)と諸経費を自己負担のうえ、
銀行から9,000万円融資を受けた場合、CCRはどうなるでしょうか?
このときの負担は、
頭金1,000万円と諸経費700万円の
合計1,700万円です。
CCRは、
900万円 / 1,700万円 = 0.52941 ≒ 52.9%
と導きたくなりますが、違います。
これでは「手取り収入」から銀行への返済を控除しておりません。
実際に投資判断される際には、
元利の返済も含めて計算する必要があります。
仮に、物件価格1億円から頭金1割を引いた
9,000万円のローンを
25年、金利2.5%で調達できたとします。
このとき、元利均等での返済ならば、
年間の返済額は約485万円になります。
なので、手取り額は900万円ではなく、
415万円となります。
とすると、CCRは、
415万円 / 1,700万円 = 0.24411… ≒ 24.4%
と求められます。
全額(1億円+諸経費700百万円)を
自己資金で買うと8.4%となる一方で、
頭金1割の融資が引ければ、
収益率は24.4%とおよそ3倍になるわけですね。
これが「レバレッジの力」です。